プラモデル用塗料について

どーもっ!アトリエ ピンクバレット の國光です。

今日はちょっとプラモデルに使う塗料について書いておこうと思います。

基本的にプラモデルに使う塗料は『ラッカー塗料』『水性アクリル塗料』『エナメル塗料』の3種類なんですが、それぞれの違いを完璧に答えられる人はほとんどいないと思います。
長年エアブラシでカスタムペイントをやって来た自分もそうです。

例えば塗料の成分を見てみると、ラッカー塗料も水性アクリル塗料も両方「合成樹脂(アクリル)」と記載されてますよね?

じゃあラッカーもアクリル塗料やん?

これの違いは主成分(樹脂)の方では無くて溶剤の方にあるんです。
そもそも溶剤とは何かと言うと、その名の通り「溶かす為の液体」の事です。
その溶剤にもめちゃくちゃ種類があるんですが、大雑把に言えば、「有機物」か「無機物」かに分かれます。

この有機物と無機物の説明をするとなるとまた別の話になってしまうので端折りますが、簡単に言うと、有機物を溶剤とする『有機溶剤』と、無機物を溶剤とする『無機溶剤』があるということです。

で、ラッカー塗料は溶剤に『有機溶剤(シンナー等)』を使っている塗料、水性アクリル塗料は溶剤に『無機溶剤(水等)』を使っている塗料の事を言います。
あくまでも「ザックリ言うと」って事ですよ。シンナーや水以外にもいろいろ入ってますし、厳密に言えば水性でも有機溶剤は入ってますから。
とにかくこれが模型の塗料でいう『ラッカー』と『アクリル』の違いになります。

ちなみに自分がカスタムペイントで使っている塗料は主成分にアクリル樹脂、溶剤に有機溶剤を使っている塗料なのに、分類はラッカーでは無くアクリル塗料になります。
語弊クソ喰らえであえて模型塗料に合わせた言い方で言うとすれば、有機アクリル塗料とでもいいましょうか。

更に補足としまして、ウレタンは主成分がアクリル樹脂とは別モノとなります。

こんなややこしい感じになるのは、溶剤の成分や割合、更には溶剤の強弱なんかも絡んで来るからなんですけど、もうこうなると「何でもええわ」って言いたくなりますよね(^^;;

実際こんなややこしい分類はどうでもいいと思います。

同じ料理でも作る人によって使う調味料や割合が違うので味は変わりますよね?
こんな曖昧なモノはその程度の認識で充分です。

塗料を作る側の人ならそういう訳にもいかないでしょうが、使う側としては上で書いた大雑把な事だけなんとなく分かっていれば充分で、肝心なのは自分が使う塗料の特徴を知る事だと思います。

そういう事でここから下は”模型”で使う3種類の塗料の大まかな特徴を書いて行きます。

【ラッカー塗料の特徴】

・3種類の中では1番塗膜が強い
・溶剤でパーツの表面を微妙に溶かしながら塗料が乗るため塗料の食い付きが良い
・溶剤がすぐに揮発する為乾燥が早い
・溶剤のシンナー臭がきつい
・中毒にやられる危険性が高い
・溶剤が強いので重ね塗りに注意が必要
(エアブラシ塗装の場合は特に気にする必要はありません)

上記のように、模型作りにおいてラッカーは非常に優れた塗料であると言えます。普及率を見てもそれは明らかですよね。

ただ、一般的に出回ってないだけで、粒子のきめ細かさ、食い付き、発色性、耐色性など、全てにおいて模型用のラッカーを上回る塗料はたくさんあります。
上にあげた自分がカスタムペイントで使っている塗料もその内の1つです。

とは言っても、やはり価格が違いますし、そもそも気軽に入手できる物でも無いので、模型作りにおいてはラッカー塗料が最強と言っても差し支え無いでしょう。

【水性アクリル塗料の特徴】

・有機溶剤が少ないので溶剤臭や中毒性があまり無い
・上と同じ理由で、上塗りに使いやすい
・これも同じ理由で塗料の食い付きが悪い
・塗料の伸びが悪い
・乾燥が遅い

以上の事から、あえてメインの塗料として使うメリットは非常に少ないです。

ただ、ご家族やペットが傍にいる環境で塗装したい場合、この水性アクリル塗料の存在は有難いでしょう。
あと、場合によっては重ね塗りで重宝します。

自分はドライブラシする時、エナメルよりこの水性塗料の方がやりやすいので、ドライブラシ用に数種類用意してあります。

【エナメル塗料の特徴】

・上塗りのあと拭き取りが可能
・発色、伸びが良い
・乾燥が遅い
・塗膜が弱い
・溶剤がプラスチックを侵し脆くしてしまう

以上の事からエナメル塗料はスミ入れやウェザリング、細かな塗り分けなんかに活躍してくれる補助塗料みたいな役割といった認識でいいと思います。
とにかくラッカーの上からエナメル溶剤によって拭き取れるという特徴がエナメル塗料の1番優れた点だと思います。

ただし、気をつけないといけないのは、溶剤がプラを脆くするという点です。
必要以上に使うとパーツが割れたりするようなので、「必要最低限に使う」「パーツをバラしてから塗る」などの注意が必要です。
(自分は今までエナメルによってパーツが破損した経験がありません)

まぁこの辺の事はいろんなサイトで書かれている事なので細かい事は置いておきますが、ほとんど見ない注意点として、エナメルも場合によってはラッカーに悪影響を及ぼします。場合と言うのはラッカーの乾燥時間や吹き方、またはカラー(顔料)なんかによっても起こる事があるので、何がどうなったらそうなるのか一概には言えませんが、ラッカーを侵す場合もあるという事は事実です。

あと、大抵の人にはあまり関係ないと思いますけど、ラッカーのメタリック系塗料にウレタンクリアーを重ねるとメタリックの粒子を溶かしてしまいます。これもメタリックの色によって溶かす物とそうでない物があるし、全部試した訳では無いのでなんとも言えませんが、Mr.カラーのガンメタなんかはメタリックじゃ無くなってしまう場合があります。
なので自分は関節なんかを塗装する際、カスタムペイントに使う高価な有機溶剤系のアクリル塗料を使っています。

とまぁいろいろ書きましたが、いろんな条件によって影響を受けるし、同じ塗料でもカラーによって扱い方も違う…こんなモン結局のところ、

「よく分からん!」「慣れるしか無い!」

としか言えないし、塗料を語る上でこれに勝る正しい表現は無いと思います。

ではまた( ´ ▽ ` )ノ
塗装&エアブラシ&ガンプラの事はアトリエ ピンクバレットにお任せを(`_´)ゞ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です