エアブラシペイントの工程③

クリアーを吹きましたが太陽?の上の方が盛り上がっているのがお分かりいただけただろうか?

これは少し厚めにクリアーを吹かないと消えないパティーンです。

もう一回クリアーを吹いて磨き倒してようやく段差が無くなりました。

段差が無くなったので次に目の細かい耐水ペーパーで磨いて行きます。

そして最後にコンパウンドでピカピカに磨いたら完成です!

これはただの1例でいろいろパターンによって描き方は変わって来ますが、マスキングを使う作業はとにかく手間暇がかかります。

私が知る限り日本のエアブラシペインターの方々はよく「全てフリーハンドで描きました」「マスキングは一切使ってません」「下書き無しで描きました」などなどフリーハンドがいかにも凄い事のように言う人が多いですが、私は全くそうは思いません。
逆に「フリーハンドでしか描けないのかな?」「マスキングや下書きの手間が煩わしいのかな?」と思ってしまいます。

実際自分自身も含めて日本に『凄い!』と思えるペインターはいないんですが、海外には本当に溜め息が出てしまうほど凄い人達がいます。レベルが違い過ぎます。
そんな凄い人達の描き方を見ていると、人物であろうが風景であろうが下書きやマスキングを巧みに使ってリアルで素晴らしい物を作っています。

確かに下書き無しのフリーハンドのみで描けると言うのはかなりの技術を必要としますが、技術さえ習得してしまえばある意味1番簡単でお手軽な技法とも言えるんです。マスキング技術の方がはるかに難しく奥が深い技法だと思います。

下書きやマスキングをして丁寧に模写するのと、その工程をすっ飛ばしてエアブラシのみで描いてしまうのとではかかる手間暇が全く変わって来ますし、出来も全く変わってきます。

実際に周りの物を見てみると、色が違う物と物の境目などは必ずハッキリと色の境界が出来ています。人物と背景にもきちっとした境界があります。
視力の悪い人がみればその境界はボヤっとして見えるかもわかりませんが、通常ボヤけている事はあり得ません。これをエアブラシで表現するにはどうしてもマスキングで境界を作る必要があるんです。
エンピツやペンなどとは違い、エアブラシは基本的にグラデーション塗装に特化している道具ですので、ボカした感じで絵を描く事はとても簡単なんですが、逆にハッキリした境界を出す事が非常に難しい道具でもあるんです。

私がアニメのイラストを描く時はほとんどフリーハンドなんですが、その際使っている描き方でエアブラシのニードル(先が尖った細長い針のような物)の先を描く対象物に当たるか当たらないかのギリギリのところまで近付けて描けばある程度ならハッキリした境界を作る事も可能です。それでもわずかにグラデーションがかかってしまいます。塗料の粒子を吹き付けて描くわけですから当然なんですけどね。
そのグラデーションを強制的にかからなくする方法がマスキングなんです。

今回の作例にあげたロゴマークも正直フリーハンドで描いた方が簡単だし早いです。
だけど先に書いたように、それではエアブラシの性質上どうしても多少ボケた感じになってシャキッとせず、イメージの違った物になってしまいます。

下書きにしてもそうですね。例えば人物の場合、アタリや下書き無しでソックリ模写出来る人はエアブラシ云々の前に余程特殊な能力の持ち主です。
『それなりに似ているもの』は描けても『ほぼ同じもの』を見ただけで描ける人はそうそういないものです。

気付けばエアブラシについて長々と熱く語ってしまいましたが、私もいつかは海外の凄いペインター達のように、いろんな技法を駆使して誰かに『凄い!』と思われるようなペインターになれたらなと思っています。

以上、私はこんな感じで作業をしていますって事でした!

またそのうち他の描き方などもちょくちょく載せて行きますね。

ではまた( ´ ▽ ` )ノ
エアブラシ&ガンプラの事はアトリエ ピンクバレットにお任せを(`_´)ゞ

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